ここで、 P :圧縮荷重, H :ゴム層と中間鋼板の総厚さ(=TR + TS ),TS:全中間鋼板厚
有効せん断剛性 KS と有効曲げ剛性 Kr は、次式で求められる。
(9)
ここで、
I : 断面2次モーメント
(9)式において、右辺に H / TR が乗じてあるのは、前述したようにゴム層と中間鋼板からなる複合体である積層ゴムの有効剛性に換算するためである。即ち、ゴム層のみのせん断剛性と曲げ剛性である GA / TR 、ErbI / TR と、積層ゴム全体としての有効剛性 (GA)e / H 、 (El)e / H とを等値することで得られたものである。
曲げに関する見かけの弾性係数 Er は、単層ゴムが圧縮を受ける場合と同様な手法に基づいて算出されたもので、1次形状係数が大きい場合には、 Er = Ec / 3 となる。単純圧縮載荷であれば、中間鋼板はゴム層の水平方向の変形を拘束するための面内の強度だけが重要となる。(8)式は中間鋼板を剛と仮定しているが、圧縮荷重とせん断変形が大きくなるに従い、中間鋼板に面外変形(更には塑性化)が起こるような場合もある。この場合、水平剛性の面圧依存性は(8)式で予測されるよりも大きくなる。特に、ゴム層厚に比べ中間鋼板が薄く、中心孔を有する場合にはこの傾向は更に顕著となるので注意が必要である。
(8)式において、圧縮荷重 P が0に近づくとき、となることを考慮すれば、圧縮荷重が0の時の水平剛性 KH0 が次式のように求められる。これはゴム層のせん断剛性だけを考えた式と同じである。