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設計者のための免震入門(4) 積層ゴムの構造と特徴
 
 
積層ゴムの面圧
 積層ゴムの面圧は現在まで50〜100kg/cm2の範囲に設定されている場合が多い。天然ゴム系積層ゴムの限界圧縮荷重確認実験から、破断時の面圧が1500kg/cm2以上であることが確認された。限界荷重は中間鋼板の強度や塑性変形能力に依存していることも認められ、中間鋼板の厚さや強度を変えることで、より高い限界荷重を得ることも可能である。また、天然ゴム系積層ゴムの圧縮せん断破壊実験から、面圧200〜300kg/cm2という高面圧下でもせん断変形率400%(全ゴム層厚の4倍)以上の変形能力を示すことが確認されている。この様な実験結果から、適切な形状を持つ積層ゴムを面圧100〜200kg/cm2の下で使用することは十分可能であると考えられる。
 以上の考察から、現状では免震性能向上のために積層ゴムの面圧を適切に設定することが最も有効な手段であると言える。
 図5に(2)式から求められる免震周期 Tƒ と積層ゴムの平均面圧の関係を示す。積層ゴムの2次形状係数 S2 =5 、ゴムのせん断弾性率は4kg/cm2とした場合である。同図より、積層ゴムの平均面圧を100〜150kg/cm2程度とすれば周期4秒以上が達成され、積層ゴムの軸力や配置などのバランスを良くすれば5秒以上の免震周期も可能となる。この様に、免震効果を高めるためには積層ゴムの適切な形状設計と面圧の適切な設定がなされることが肝要である。
参考文献
1) 多田英之監修「4秒免震への道 −免震構造設計マニュアル−」理工図書、1997
2) 日本建築学会「免震構造設計指針」2001





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