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よい免震構造の条件は? 免震構造レポート Vol.2
 
Q1. 免震構造は耐震構造よりも安全なのですか?
A1. 免震構造は免震層の柔軟性と地震エネルギーの吸収により建物に伝わる振動が弱められ、かつ揺れは小さく穏やかになります。免震構造は耐震構造よりも揺れ方の予測が正確で、なおかつ構造骨組は損傷を免れますので、原理的に安全性が高い構造です。
Q2. 信頼性の高い免震システムはどのように見分ければよいですか?
A2. アイソレータやダンパーには様々な種類のものが提案されています。アイソレータやダンパーの性能も肝心ですが、それらをどうやって組み合わせるかも重要です。同じような特性を示すからという理由で選択するのではなく、それらの品質を厳密に評価する必要があります。アイソレータやダンパーは免震構造の性能を左右する要(かなめ)ですから、曖昧さを極力排除する必要があります。そのためには、建物を支えるアイソレータと地震エネルギーを吸収するダンパーが分離されていて、それぞれの性能がよく分かっていることがポイントです。
Q3. 地震に対して建物と地盤を絶縁することは可能ですか?
A3. 建物と地盤を100%絶縁することは無理ですが、どんな地震がきても建物空間が被害を受けないようにすることは可能です。そのためには、免震建物にどの程度の性能を与えるのか、アイソレータやダンパーの性能・品質をどうするのかなどを慎重に検討します。免震構造では想定される地震波に対して、どれくらいの安全性を確保するのか、建物の揺れ方をどのように制御するのかをある程度柔軟に決めることが可能なのです。
Q4. 耐震構造や免震構造はどういった地震を対象に設計されていますか?
A4. 我が国の建築は「建築基準法」の規制を受けます。建築基準法では様々なことが規定されていますが、あくまで建築に求められる安全性の「最低基準」を規定しているだけです。建築基準法を守っているから安全だとは言えません。
1995年の阪神淡路大震災の時には大きな被害が発生しましたが、当時の法令に従って設計された建物の被害が少なかったので、法令に規定されている設計方法や想定している地震動のレベルは妥当であると言われています。しかし、それだから被害が発生しないことを保証しているわけではないのです。そのため、設計された建物がどれくらいの安全性をもっているのかを、できるだけ確かめることをお奨めします。耐震構造が大地震の時にどうなるかを高い精度で予測することは難しいのに対して、免震建築の性能は明快です。
もし、家を建てる機会があれば、その建物がどれくらいの耐震安全性を持っているのかを尋ねてみると良いでしょう。建築基準法を守っているから安全ですとか、基準法の何倍の地震に対しても倒壊しませんと言われても、その時建物にはどれくらいの地震力が作用して、建物がどれくらいひずむのか、家具や備品はどうなるのかを聞いて見ましょう。

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